相続人調査とは

相続人調査とは

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1,相続人調査とは

2,まず、相続人調査において収集すべき資料

3,相続人調査をスムーズに行なうコツ

4,その他のコツ

5,郵送請求を行なうときのコツ

6,戸籍等の郵送請求で必要になる書類

7,交付に必要となる手数料

8,証明書の種類と取得場所

9,広域交付

 

 

 

1,相続人調査とは

有効な遺言がない場合、すべての法定相続人による遺産分割協議がおこなわれ、協議が成立するまでの間は、原則として遺産分割をおこなう事が出来ません。

 

ここで言う、すべての法定相続人に誰が当てはまるのか証明する必要があります。この誰が法定相続人となる権利を有する者なのか、証明するための調査のことを相続人調査と言います。
相続税申告、遺産名義変更、金融機関での口座解約手続でも、証明に基づいて作成した法定相続情報一覧図や相続関係説明図の提出が一般的になっています。そのため、相続関係を証明する戸籍等資料を取り付けることが必要となります。
取り付ける方法として、お亡くなりになられたかた(以下、被相続人と呼びます)の親族関係を証明するために被相続人の出生から死亡までの戸籍簿謄本(全部事項証明書)を取り付け、親族(配偶者、子、直系尊属、兄弟姉妹、甥姪)の戸籍謄本を取り付けます。場合によっては、ご親族が知らない法定相続人が存在することもあります。このため証明する必要があるのです。
もちろん、法定相続人のかたが取り付けることが可能で、被相続人の本籍地の市区町村役場に請求する必要があります。
遠隔地になる場合は、郵送にて請求することが出来ますので、発行手数料相当分の定額小為替(ていがくこがわせ)を郵便局で購入し、同封のうえ封書にて請求してください。
また、戸籍は戸籍制度が変わるたびに改正原戸籍(かいせいはらこせき)が編成されたり、転籍のため戸籍が独立したりしますので、請求するにも戸籍を読み解く能力が要求されます。
弁護士、司法書士、行政書士などの士業は正当な事由があることが条件ですが、職権で取り付けることが可能ですので、戸籍収集にご負担を感じる方・途中で立ち行かなくなった方は、専門家に依頼されることもひとつの選択肢だと思います。

 

 

2,まず、相続人調査において収集すべき資料

①被相続人の住民票除票
②被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本
③法定相続人全員の住民票または戸籍の附票
④法定相続人全員の現在戸籍謄本
⑤その他被相続人と相続人との関係を明らかにする戸籍謄本等

 

 

 

3,相続人調査をスムーズに行なうコツ

①被相続人の、最後の住所・本籍地・各法定相続人の住所・本籍地を把握しておく。
②被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本を漏れなく取得する。
③被相続人の死亡時点の戸籍を取り寄せてから出生時まで遡る方法が一般的。
④戸籍(除籍・原戸籍)謄本は、本籍地(旧本籍地)の市区町村役場の戸籍係に請求します。(郵送請求可)
⑤相続人の住所がわからないときは、戸籍を辿ることで本籍地を特定することが出来れば、相続人の戸籍の附票を取り寄せることで住所を特定することが出来ます。

 

 

4,その他のコツ

①被相続人の最後の本籍地市区町村宛てに、出生までさかのぼる戸籍を請求する。
②発行された戸籍を熟読のうえ、前の本籍地の市区町村宛てに戸籍請求をする。
③出生に辿り着くまで②を繰り返してください。
④出生から死亡まで戸籍が繋がるか整理するため、戸籍簿の余白にいつからいつまでの戸籍か記しておく。
⑤収集が必要となる戸籍のうち、すでに廃棄された除籍・原戸籍謄本の保存期間は、除籍・改正時より80年間とされていましたが、2010年6月1日施行の戸籍法施行規則で、除籍簿・改正原戸籍簿ともに150年間に延長されています。(附票の除票・改正原附票は5年のままです。)

 

 

5,郵送請求を行なうときのコツ

①手掛かりとなった、手元にある戸籍の写しを同封すると、受取った役場担当者に伝わり易い。
②誰の戸籍がいつまでに必要なのかメモ書きを同封する。
③定額小為替を多めに入れておくと追加請求が発生しても安心です。

 

 

6,戸籍等の郵送請求で必要になる書類

①戸籍証明書交付申請書
②定額小為替(必要手数料分より少し多めに)
③申請者本人の確認資料(運転免許証、マイナンバーカードなどのコピー)
④戸籍請求の手掛かりとなった資料の写し
⑤返信用封筒(切手を貼ったもの)

 

 

7,交付に必要となる手数料

種類 内容 手数料
戸籍謄本(戸籍全部事項証明) 戸籍原本の全部写し 1通450円
除籍謄本(除籍全部事項証明) 除籍原本の全部写し 1通750円
改正原戸籍謄本 改正原戸籍原本の全部写し 1通750円
戸籍附票 住民票の移動履歴

1通300~400円
(市区町村による)

 

 

 

  

8,証明書の種類と取得場所
(附票=ふひょう:住所の移転履歴が記載された帳簿のこと)
(除票=じょひょう:入籍・転入時点から除かれるまでの記録)   
(=広域交付対象の証明書)

 

証明書 取得場所 証明範囲 備考
住民票 現住所の市区町村 現住所(同一市区町村内の移動)と直前の住所地

住所移動が1回、同一市区町村内
ならば1通で証明可能

 

住民票の除票 以前住んでいた市区町村

転入元、住んでいた住所
転入先の住所

 

 戸籍謄本
(こせきとうほん)
(戸籍全部事項証明書)

 

➀現在の本籍地
となる市区町村
②広域交付は全国の
市区町村窓口

 

本籍・戸籍筆頭者の氏名・生年月日・父母の氏名と続柄
・同じ戸籍に入っているそれぞれの人に関する出生事項
・婚姻事項

 

本籍地および筆頭者の氏名の記入が必要
 除籍全部事項証明書

現在の本籍地
となる市区町村

 

除籍簿のすべてについて証明したもの
戸籍上に誰もいないことを証明した除籍情報の写しのこと
戸籍内の者の死亡・失踪宣告・婚姻・離婚・養子縁組・
分籍・転籍などによって除かれた者について、
戸籍簿から除いて別にしぼったもの(除籍簿)

 

死亡や結婚などで在籍する人が
誰もいなくなった状態の戸籍謄本
相続手続で使用
別の戸籍に移った相続人が分かる

 

戸籍の附票

現在の本籍地
となる市区町村

 

戸籍在籍者が、入籍した時点から
除かれた時点までの住所の履歴

 

戸籍が変わっていない限り、
何度移動しても1通の附票で証明可能

 

戸籍の附票の除票

以前の本籍地
となる市区町村
(結婚・離婚など)

 

入籍した時点から除籍される
までの住所の履歴

 

戸籍抄本
(こせきしょうほん)
(戸籍個人事項証明書)

 

現在の本籍地
となる市区町村

 

 

戸籍に記録されている
一部の人について証明したもの

 

 除籍謄本
(じょせきとうほん)

 

➀現在の本籍地
となる市区町村
②広域交付は全国の
市区町村窓口

 

戸籍上に誰もいないことを証明した除籍情報の写しのこと
戸籍内の者の死亡・失踪宣告・婚姻・離婚・養子縁組・分籍・
転籍などによって除かれた者について、戸籍簿から除いて
別にしぼったもの(除籍簿)

 

死亡や結婚などで在籍する人が
誰もいなくなった状態の戸籍謄本
相続手続で使用
別の戸籍に移った相続人が分かる

 

 改正原戸籍謄本
(かいせいはらこせき)

 

➀現在の本籍地
となる市区町村
②広域交付は全国の
市区町村窓口

 

戸籍法改正前の古い戸籍
父の情報
母の情報
長男の情報
(改正時、死亡により除籍済み)

 

・相続手続での相続人の確定

 

・不動産所有権移転登記(相続登記)

 

・銀行預金口座の名義変更または解約

 

・有価証券(株式)の名義変更

 

【平成19年11月以前に】

 

死亡・婚姻・離婚・養子縁組・認知したこと・

 

養子にしたこと・帰化したことを証明できる

 

改正原戸籍抄本
(かいせいはらこせき)

 

現在の本籍地
となる市区町村

改正原戸籍に記載されている
一部の人かたを証明するもの

 

改正原附票
(かいせいはらふひょう)

 

被相続人の本籍地
管轄市区町村

 

戸籍法改正前の戸籍の附票
改正原戸籍に付随する住所履歴

 

 

 

 
 

9,広域交付
令和6年3月1日から戸籍法の一部改正により、全国の市区町村の窓口で戸籍証明書の取得ができるようになりました。欲しい戸籍が全国各地にある場合、1箇所の市区町村の窓口でまとめて請求できます。ただし、請求する人が、本人、配偶者、直系親族の場合に限られます。

 

広域交付のまとめ

請求方法
請求する人

広域交付
(全国市区町村窓口)

 

窓口請求
(本籍地のみ)

 

郵送請求
(本籍地のみ)

 

本人
配偶者

直系親族
(子、親、祖父母等)

 

職務上請求

委任状による
代理請求

 

第三者請求

◯は可能・✖は不可能